福田敏雄さんの漆器

輪島塗作家、福田俊雄さんという方の工房兼ご自宅に、1年越しでやっと伺うことができた。コロナの感染状況や自分の時間の都合などがあって、輪島まで行くことはあっても福田さんにはお会いできないということが去年2回ほどあった。というので、やっと!という思いで、輪島塗りに関しては私よりも断然詳しい友人Nちゃんに車で連れていってもらった。

福田俊雄さんの漆器は、普段の食事に漆器を取り入れてほしいという思いが伝わってくる、シンプルで使いやすいデザイン。もともと教えてくれたのはドイツ在住で食器に詳しい方。ネットで検索して出てくる写真を見ては、あれこれ思い描いていた。

福田さんのご自宅は輪島の農村の高台にあった。その様子は、以前与那国島のやちむんの山口陶工房を訪ねた時のことを思い出させた。どちらも緑が茂った急斜面を登った高台にある。「日本の最果ての地の高台にある工房」という共通点か。

この日私たちを迎え入れてくれた福田さんご夫婦は、ご自宅の2階部分の工房の中を案内してくださり、作成中の器や、タンスのような見た目の専用の乾燥機の中に並んでいる器を丁寧に説明しながら見せてくださった(写真撮り忘れた!)。その後、1階の居間で素敵なアナログ版が流れる中、大小さまざまな作品を見せていただいた。「無理して買わなくてもいいんですよ」とおっしゃったが、自分の心の中では朱色の飯椀を買うことが決まっていた。「僕は普通の輪島塗の朱色が嫌いなんだ」という福田さんの朱色は、特別な日でもなんでもない日常の食卓に置いてカッコイイ落ち着いた赤色。色々と在庫を出していただき、あれやこれやと迷っている時に、「小さめのお椀にご飯をてんこ盛りにするより、少し余裕のある器に少なめに盛る方が上品かな」とおっしゃった言葉に、なるほど!と納得。決めた。

購入した漆器。左が飯碗、右がサラダボウル

ご飯をよそったところ

福田さん宅で器選び

漆器はそんなに簡単には割れないし、割れたとしても修理しながら使っていける。この先何年もよろしくね!

器と言えば、食洗機に入れやすくするために毎回プラスチックのワンプレートに全部盛って食べていたら子供がお茶碗をちゃんと持てなくなったという超現実主義な友人から、食器を割りまくってるせいで高価なものが買えないと言う友人まで様々。みんなの食卓を眺めてみたいなぁと思う今日この頃です。

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